「またやってしまった…」と、夜中に1人で反省会を開いてしまうことはありませんか。
仕事でのちょっとしたミスや、対人関係での何気ないやりとり。
他人から見れば些細に思えることでも、つい深読みしてしまい、「私はダメな人間だ」「どうせ次も、うまくいかない」と、ネガティブな思考のループにはまってしまう。
こうした「考えすぎ」の悩みは、年齢や性別に関係なく、現代を生きる多くの人達が抱えているものです。
そこで、今回は、心理学の視点からネガティブ思考の正体を知り、ネガティブ思考を抜け出し心が軽くなるための3つのヒントをお伝えします。
私たちはなぜ、物事を「悪い方」へ考えてしまうのでしょう。
心理学には「ネガティブ・バイアス」という言葉があります。
人間はもともと、ポジティブな情報よりネガティブな情報に敏感に反応するようにできています。
これは、私たちの祖先が、猛獣に襲われたり食料不足に陥ったりする危険をいち早く察知して生き延びるための、「生存本能」の名残です。
つまり、あなたがネガティブになってしまうのは、性格に問題があるからでも、意志が弱いからでもありません。
脳があなたを守ろうとして、一生懸命にリスクを回避しようとしている証拠なのです。
しかし、現代社会では、この本能が過剰に働くと、負のループを生み出してしまうことになるのです。
例えば、こんな感じですね。
「プレゼン後の質疑応答で、Aさんは、同僚から1つの鋭い指摘を受けました。他の参加者からは多くの称賛を得ていたにも関わらず、Aさんの脳内では「マイナス思考のフィルター」が作動します。「あの指摘にうまく答えられなかった。みんな呆れているに違いない」と、たった1つの点だけに執着してしまい、成功した部分を全て打ち消してしまったのです。」
このように、事実(1つの質問)と解釈(参加者全員からの失望)を混同してしまうのが、ネガティブ思考の落とし穴なのです。
ネガティブ思考を抜け出し、心を切り替える3つのヒント
私たちは誰もが、ネガティブ思考の落とし穴にはまってしまう可能性があります。
ネガティブ思考はときには有効に働くことがありますが、これが習慣化してしまうのは、やはり好ましいことではありません。
心理的なストレスがたまってしまい、心が疲弊してしまうからです。
そこで、ネガティブ思考の落とし穴にはまりそうになったときは、ぜひ以下に紹介する3つの方法を試してみましょう。
どれも、心理学の知見から生まれた効果を実感できるものです。
①「脱フュージョン」で思考を切り離しましょう。
これは、思考と自分自身を切り離すテクニックです。
フュージョンとは、自分自身が思考や感情と融合している状態です。
つまり、そのような状態を脱する方法が、脱フュージョンと言えます。
やり方は、ネガティブな考えが浮かんできたら、自分はダメだと決めつけるのではなく、「自分は、ダメだという考えを持っている」と心の中で呟くようにします。
こうすることで、「自分=だめ」なのではないということが理解できます。
このように、私とダメという思考を切り離して距離を置くことで、ダメという思考を客観的に眺めることができるようになります。
そして、思考を「事実」ではなく、ただの言葉として眺めることで、感情に振り回されにくくなるのです。
この方法は、一朝一夕にできるようにはなりませんが、繰り返し練習することで少しずつ身に付いていきますので、ぜひ日々の生活の中で試してみましょう。
②「スリーグッドシングス」を習慣化しましょう。
これも、今日からすぐに実践できる方法です。
寝る前に、その日あった「良かったこと」を、3つ書き出します。
「お昼ご飯が美味しかった」
「天気がよくて気持ちよかった」
「道端にきれいなお花が咲いていた」
「職場で、〇〇さんと挨拶ができた」
「プチご褒美のアイスが美味しかった」
「いつもより早く帰宅できた」
「湯船にゆったり浸かってリラックスできた」
どんな些細なことでも構いません。
これを継続していくことで、ネガティブバイアスによって無視されていた「日常の肯定的な側面」に気付いてキャッチする力が、少しずつ強くなっていきます。
これはポジティブ心理学をはじめとして様々なところで用いられている、効果が期待できる優れた実践法です。
実践していくことで、幸福感が着実に増していくことが示されています。
因みに私も、「3つの良いこと」はずっと長い間続けていますが、効果は折り紙付きです。
ぜひ、今日から試してみてください。
③セルフコンパッションを実践しましょう。
これは、自分自身を大切な友人のように扱う手法です。
自分を責めそうになったら、「今は辛い状況なんだね」「そう思うのも無理はないよ」と、客観的な視点から自分に声をかけてあげます。
自分自身を実際に、ぎゅっと抱きしめてあげるのも良いですね。
このように、自分を批判するのではなく、現状を許容してあげることを習慣化していくことで、心の回復力(レジリエンス)が高まっていくことが示されています。
ポイントは、苦しんでいる友人がその言葉を聞いたら、心が軽くなるような言葉をかけてあげることです。
私たちはややもすると、他人には優しくできるのに、自分自身には辛くあたってしまうものです。
時には自分自身を𠮟咤激励することも必要ですが、いつもそのパターンだと、どうしても心がしんどくなってしまいますよね。
まとめ:自分を責めない「心の余白を」
ネガティブ思考は、決してあなたの「敵」ではありません。
それは、あなたが、それだけ誠実に、真剣に生きているという証でもあります。
しかし、ネガティブ思考のループにはまってしまうのは、好ましくありません。
心が疲弊してしまうからです。
大切なことは、ネガティブ思考を無理に消し去ろうとしないことです。
無理に消し去ろうとすると、かえって強烈にネガティブ思考のループにはまってしまいます。
必要なのは、「あ、今、ネガティブ思考の落とし穴に落ちそうになっているな」と、客観的に気付くことです。
そして、自分を追い込むのではなく、「私は、よくやっているよ」と自分を認めてあげることです。
今日から少しずつで良いので、心の中に優しい余白を作っていきませんか。
優しい余白が広がっていけば、ネガティブ思考に支配されるのではなく、心の中にポジティブ思考が広がっていくでしょう。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
