気付かないうちに、心は少しずつ疲れをため込んでいきます。
仕事、家庭、人間関係、自身の健康のこと……。
何となく疲れを感じていても、大したことはないだろうと考えて頑張り続けてしまうと、心のエネルギーは静かに消耗していきます。
そしてある日、ふと、「何だか元気が出ないな」「いつもみたいに笑えないな」「今までのように楽しめないな」「いつもの自分じゃないな」と感じる瞬間がきます。
そんなときに、そっと読み返せる心の処方箋を、今回はお届けします。
心が疲れてしまう心理学的な要因
ここでは主に、心理学的な知見から紹介したいと思います。
①心のエネルギーは有限なので、使いすぎてしまうと疲れてしまいます。
心も体と同じように、たくさんのエネルギーを使います。
では一体、心はどんなことでエネルギーを使っているのでしょう。
🔷私たちは一日中、無意識のうちに小さな意思決定を繰り返しています。
「何時に起きて、何時に家を出ようか」
「今日の服装はどうしようか」
「朝食は何を食べようか」
「今日の仕事の手順は、どうしようか」
「会議でどんな発言をしようか」
「ランチは何にしようか」
「何時に退社しようか」
このような選択は、数え上げたら切りがありませんよね。
実はこのような意思決定の選択のたびに、私たちは、心のエネルギーを少しずつ消費しているのです。
🔷私たちの心は、感情を抑制したり制御したりするたびに、多くのエネルギーを使っています。
例を示しますね。
●職場の上司から理不尽な指示を受けたとき、心の中では「それはおかしい!」と怒りや反論の気持ちが湧き上がってきます。
しかし、それを口に出すと人間関係や自身の評価に響いてしまうため、怒りを抑えて、冷静な態度を保つという制御を行ってしまいます。
このとき、心は大きなエネルギーを消費しているのです。
●子どもが何度言っても片付けをしないとき、大きな声で怒鳴りたくなります。
しかし、感情的に怒っても解決しないと考え、声をあらげたい衝動を抑え、落ち着いて諭すという制御を行います。
このときも、心は大きなエネルギーを消費しているのです。
🔷私たちは、食べたい、休みたいといった本能的な欲求も制御しています。
この時も、心は多くのエネルギーを使います。
例を示しますね。
●目の前に美味しそうなケーキがあると、食べたいという衝動が起こります。
しかし、ダイエット中だから我慢すると決めて、食べたい欲求を意識的に抑え込む制御を行います。
このときも、心は大きなエネルギーを消費しているのです。
🔷集中力を持続させるために、余計な情報や考えを遮断する注意の制御を行っています。
例を示しますね。
●勉強に集中しようとしているときに、外の騒音や、前に見たドラマの内容、将来への不安などが頭をよぎることがあります。
このとき私たちは、それらの雑念を意識的に頭の外に追い出し、目の前の勉強だけに注意を向けるという制御を行います。
このときも、心は大きなエネルギーを消費しているのです。
このように私たちは、気付かないうちに、心がエネルギーを消費しているのです。
そのことに気付かないまま過ごしていると、心が疲れ切ってしまいます。
ここで大切なことは、疲れを感じたら十分にケアをするということです。
そこで、心が疲れてしまったときにできる処方箋を、いくつか紹介しますね。
心が疲れてしまったときにできる3つの処方箋(実践)
①まずは、緊張をゆるめましょう。
心の疲れは、体の緊張という形で現れます。
そんなときにお勧めな方法があります。
深呼吸です。
実際には、次のように行います。
ゆっくりと、お腹の中の息を、全て吐き出します。
↓
ゆっくりと、自然に息を吸い込んでいきます。
↓
これを、3~5回、繰り返します。
この呼吸法を実践すると、交感神経優位から副交感神経優位に切り替わり、緊張がほぐれていきます。
これは、簡単に実践できる、とても効果的な方法ですので、ぜひ実践してみてください。
②今の気持ちを言葉にしてみましょう。
頭の中にある不安やモヤモヤなどは、言葉にしたり、紙に書き出したりすることで、整理することができます。
とくに、文字として書き出すことで、頭の中にある感情から少し距離を置くことができるので、自分の感情を客観的に見ることができます。
例を挙げましょう。
・「今、私は疲れているな」
・「ちょっと、悲しいな」
・「何となく、落ち着かないな」
・「ちょっと、イライラしているな」
・「今、少し怒りを感じているな」
これは、日記やジャーナリングにも通じますね。
自分の感情を、言葉にしたり文字にしたりすることで、心は穏やかになります。
習慣化すると効果を実感できるようになりますので、さっそく今から始めてみませんか。
③今日の自分を、特別扱いしましょう。
とくに、責任ある仕事を任されたりすると、期待に応えようとして、頑張りすぎてしまいますよね。
「もっと、頑張らなきゃ」
「こんなことで、疲れているわけにはいかない」
「これくらいの疲れは、へっちゃらだよ」
こんな感じで、気付かないうちに、心はどんどん疲れてしまいます。
こんなときに試してほしいのが、今日の自分は特別扱いしてもいいという考え方です。
例を挙げましょう。
・仕事を20分だけ早く切り上げて帰ろう。
・仕事帰りに、美味しいものを食べよう。
・家事を1つ休んで、家族に頼もう。
・好きな映画を見よう。
・思いっ切り、早く寝よう。
どうでしょう。
自分への小さなご褒美かもしれませんが、心は驚くほど回復するものです。
ちょっと心が疲れてきたなと感じたら、自分を特別扱いする日をつくりましょう。
これも、大変お勧めの方法です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
心が疲れてしまったときは、
1.深呼吸をして緊張をゆるめる。
2.気持ちを言葉や文字にする。
3.今日の自分を特別扱いしてあげる。
この3つだけでも、十分に効果がありますよ。
私たちの心は、体と同じように、たくさんのエネルギーを消費しています。
エネルギーは使えば、無くなってしまいますよね。
心も同じです。
心のエネルギーが減ってしまったら、再び補充してあげなければなりません。
そして、そのために最も効果的な方法は、心を休ませてあげることです。
癒しを与えてあげることです。
そうすれば、心は再びエネルギーで満たされ、元気を取り戻すことができます。
どうか、今日だけは、少しだけ自分に優しくしてあげてくださいね。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
