HSP(Highly Sensitive Person)とは、感受性が強く、環境の刺激や人の感情に敏感に反応する人たちを総称していう用語です。
HSPの人たちは他人の感情や言動に必要以上に敏感に反応してしまうため、とても疲れやすい傾向があります。
そのためHSPの人は、今の日本のように集団志向が強く競争が激しい社会では、ストレスを感じやすく、過度の刺激に敏感に反応してしまうことがあるため、生きにくさを感じることがあります。
そこでHSPの人たちが自分らしく生きていくためにできることを、考えてみたいと思います。
自分がHSPであることを認識しましょう。
自分がどんな傾向性をもっているのか理解することは、社会に適応して生きていく上で、とても大切なことです。
例えば、どんなことが好きでどんなことに興味をもつのか、どんなことに喜びや悲しみを感じるのか、どんなことが得意でどんなことが苦手なのか、人と関わる時はどんな感じで関わっているのか、一人でいる時と大勢でいる時のどちらが居心地がいいのか、人から言われたことをどのように受け取りやすのか、どんなことにストレスを感じやすいのか、どこまでなら頑張れるのか等々。
このように自分がどんな傾向性をもっているのか理解するための視点は、生活の中にたくさんあります。
そしてこのように自分自身を振り返ってみて、もし、他人の言動や感情に必要以上に敏感に反応してしまっていたり、他人と長い時間一緒にいると疲れてしまったりしていたら、HSP傾向があるのかも知れません。
ストレスを上手に管理しましょう。
HSPの人は感受性が強く繊細な心をもっているため、他人の感情や言動に必要以上に影響を受けやすく、どうしてもストレスをためやすい傾向があります。
そのため、ストレスを必要以上にためずに適切に管理することが大切です。
ストレスを管理する方法は人によって様々あると思います。
ストレスを感じたときに手軽にできる方法で、思いつくものをざっとあげてみます。
①ストレスを感じた時に深呼吸をしてみる。
深呼吸をすることで十分な酸素が体や脳に行き渡り、気持ちがリラックスします。
リラックスすることで、ストレスを軽くすることができます。
②目をつぶって周りの情報を遮断する。
人は知覚の8割を、視覚から得ていると言われます。
それだけ私たちは、日々目から得る情報にさらされているのです。
HSPの人は敏感で繊細ですから、きっと必要以上に視覚からの情報にされされているのではないでしょうか。
そこでストレスを感じたときに少しの時間でも目をつぶることで、神経を休ませてリラックス効果を得ることができるでしょう。
③体を動かしてみる。
ストレスを感じたときに、伸びをしたり首を回したりするなど、体を少し動かしてみることも効果的です。
体を動かすことで、ストレスでこわばった体も柔らかくなります。
④水を飲んでみる。
ストレスを感じたときに水を飲むのも、有効な方法です。
水分が体に入ることで、不思議と気持ちが落ち着きます。
ストレスを感じたときは、水をひと口飲む習慣をつけるとよいでしょう。
適度に休憩をとるようにする。
ストレスを感じて疲れたときは、たとえ短い時間でも休憩をとって、リラックスするようにしましょう。
とくにHSP傾向がある人は、一人でリラックスする時間をもつことがとても重要です。
その際、スマートフォンなどを見てしまうとそれが刺激となり心が休まらないので、目を閉じてゆっくりと呼吸したり、何も考えずに遠くの景色を眺めたりすることが効果的です。
環境を調整しましょう。
HSPの人は周りの環境にも敏感です。
多くの刺激に囲まれていると、心が疲れてしまいます。
ストレスを感じて疲れてしまったときは、なるべく一人で静かになれる場所に移動するとよいでしょう。
もし、一人になれる場所がない場合は、イヤホンをつけて周囲の音を遮断したり、お気に入りの音楽を聴いたりすることも有効です。
好きなことをする時間をもちましょう。
仕事を終えて帰宅したときは、ゆったりとリラックスする時間をもつようにしましょう。
とくに、自分の好きなことをする時間をもつことが、とても大切です。
音楽を聴いたり、楽器を弾いたり、読書をしたり、好きな映画を見たり、お風呂でくつろいだり、家族と楽しく食事をしたりするなど、自分が心からリラックスできる時間をもつことで、ストレスが軽減され、心を癒すことができます。