ACTは、前に進むための心理理療法です。

心理療法

ACTは、前に進むための心理療法

よくわかるACT「心理的柔軟性は、十分な気づきと完全に開かれた心をもって、今この瞬間に存在し、自分の価値に従って行動する能力を指す」ラス・ハリス

私は、はじめはこの文章の意味がよく分からなかったのですが、ACT関連の書籍を何冊も何冊も繰り返し読んだり、オンデマンドでの学びを続けたりするにつれて、少しずつ理解することができるようになってきました。

ACTでは、心理的柔軟性を高めて、自分の価値に向かって着実に歩んでいくことを目標にします。
つまり、今この瞬間に心を集中させ、自分が大切にしている価値に向かって行動していくことを目指す心理療法なのです。

私も以前は、職場での人間関係の悩みがつきませんでした。
嫌な出来事を思い返して、まるで呪いの言葉のように心の中でぐるぐると反芻していたのです。
こんな状態が続いていたら、当然いいことなんて一つもありません。
気分はどんどんふさぎ込んできますし、しまいには仕事に行くことさえ嫌になってきます。

ですが、ACTの考え方を知ってからは、気持ちがとても楽になりました。
対人関係で嫌なことがあっても、ネガティブな感情をあまり引きずらなくなったのです。
嫌なことがあったときは、「はっ!」と気づいて、嫌なことを思い出してネガティブなことばかり考えていたんだなと、立ち止まることができるようになってきたのです。
「私は今、〇〇という嫌な感情を抱いているんだな」と、その感情を受け入れた上で、その感情から少し距離を置くことができるようになってきたのです。
これを繰り返し実践するように心がけたことで、嫌なことがあっても、それを必要以上に引きずらなくなってきました。
とは言え、今でも理不尽なことがあれば、そのことを反芻してしまうことはあります。
ですが、そんな状態に陥っても、すぐに「はっ!」と我に返ることができるので、以前に比べたら圧倒的に負の感情に支配されることが少なくなりました。

私たちはそんな負の感情を抱えながらも、そんな負の感情を受け入れて少し距離をとることで、前に進むことができます。
自分のやるべきことに向かって、ただひたすらに前に進んでいくことができるようになるのです。
そして、今この瞬間をいつも意識して行動するように心がけていくと、自分のやりたいことを楽しく自信をもってできるようになっていきます。
このように、ACTは生活を豊かにしてくれる心理療法なのです。