価値は、行為そのものに内在しています。
私が今最も楽しみにしている趣味は、クラシックギターを演奏することです。
ギターを演奏しているときは、時間が経つのも忘れて、夢中になって演奏しています。
毎日、1時間はギターを弾く時間をとるようにしています。
私にとってギターを弾くことは身体に染みついた習慣であり、ギターを弾くことで一日を気持ちよく終えることができます。
ギターを弾くことは私にとって、まさに生きる喜びそのものといっても過言ではありません。
ギターを弾いているときは、たとえどんなに辛いことがあっても、全てを忘れて演奏だけに集中することができます。
ギターにはそんな魅力がいっぱい詰まっています。
ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)は、自らが大切にしたい価値に沿って、積極的に行動することを目指す心理療法です。
たとえどんなに辛いことや苦しいことがあったとしても、受け入れる部分は受け入れて、ネガティブな感情や思考から少し距離をとり、自分が大切にしたい価値に沿って進んで行動していくことで、私達は幸せを実感することができます。
ここで注目したいのは、価値は行為そのものに内在しているということです。
先ほどの私の場合で言えば、ギターを弾くこと自体に私が大切にしたい価値が含まれています。
私はいつも、美しい音色を響かせたいとう想いを抱きながら、ギターを演奏しています。
美しい音色を響かせるということが、私が大切にしたい価値になります。
この価値を意識しながらギターを弾いているので、私はいつも満たされた気持ちでいられるのです。
では、価値と目標にはどんな関連があるのでしょう。
私の場合で言えば目標は、定期演奏会やミニコンサートを成功させることになります。
そのために私は、ギターアンサンブルの仲間達と励まし合いながら、ギターの練習に取り組んでいます。
演奏会を成功させたいという目標があるから、私は日々の努力を重ねていくことができるとも言えます。
もっとも、ギターを弾くこと自体に価値が内在しているので、演奏会がなかったとしても私は、熱心にギターの練習に取り組むとは思います。
とは言え、定期演奏会で演奏することは、私にとってはとても大きなモチベーションになります。
なぜなら、定期演奏会でギターを演奏すれば、たくさんの人達に、私の美しい(願望も含みます)ギターの音色を届けることができるからです。
これはまさに、私の価値を最大限に発揮できる場とも言えます。
このように考えていくと、目標の根底にはやはり価値が含まれています。
裏を返せば、私達にとって、大切にしたい価値が含まれていない目標を目指すことには、あまり意味がないとも言えます。
今回は、ACTで大切にしている価値について、私の経験を交えながらお話してみました。
私はこれからも、自らが大切にしたい価値に沿って行動していきたいと思います。
皆さんもぜひ、ご自身が大切にしたい価値について考えていただければ幸いです。