カスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」が今注目されていて、ニュースなどでよく耳にするようになりました。
これは、企業などで働いている従業員に対して、顧客が過剰な要求や暴言などの不適切な行為を行うことを指して言います。
カスハラは、飲食業やサービス業などで働いている方々にとっては、とくに深刻な問題です。
私も長年、対人援助職である教員を続けてきましたので、他人事ではありません。
教員を退職した今になって思うと、カスハラを受けたなと思うことは、ありましたね。
東京都は、全国初のカスハラ防止条例の制定を進めているようです。
この問題にいち早く取り組むことは、とても意味のあることだと思います。
カスハラのように、こっちは客なんだからと無茶な要求をしたり、感情的に責め立てたりするのは、倫理的に考えてもやはりおかしいと言わざるを得ません。
サービスを提供している側にも、人権があるのですから。
言いたいことがあるのなら、その思いを感情的にならずに、冷静に伝えれば良いだけのことです。
顧客がクレームを伝えるのは当然の権利なので当然認められますが、カスハラはやはり、人としてしてはいけないことです。
しかし、カスハラは、誰もが無自覚で行っている場合がありますので、まずは自分自身がしっかり自覚していくことが必要です。
では、サービスを提供している側の人がカスタマーハラスメントにあってしまったときは、どのように対処すれば良いのでしょうか。
私なりに対処法を考えてみました。
①感情的にならずに、冷静に対応する。
まずは、これが一番肝要なことです。
相手はあることないことまくし立てて、感情的にこちらを責め立ててきます。
そこでもし、こちらが感情的になって対応してしまったら、それこそ相手の思う壺です。
相手はさらにヒートアップしてくるに違いありません。
そうならないように、まずは、相手の話を冷静に受け止めることが必要です。
とは言え、感情的になっている相手を冷静に受け止めるのは、難しいことです。
ここで役に立つのは、冷静になるためのスキルです。
例えば、深呼吸をするのは、簡単で最も効果があります。
深呼吸をすることで酸素が体中に行き渡り、正常な判断が可能になります。
すると、感情的にならずに冷静に対処することができます。
②一人で対処せずに、複数人で対処する。
一人で対処できる場合は良いのですが、限界を感じたときは、責任者などに伝えて一緒に対処することが大事です。
少なくとも2人以上で対処することで、相手のペースに巻き込まれるリスクを減らすことができます。
何より、複数人で対処することで、安心感を得ることができますし、心強いものです。
③心のケアをしっかり行う。
辛辣なカスタマーハラスメントを受けると、精神的にかなりのダメージを受けてしまいます。
個人差はありますが、何れにしても、心のダメージはなるべく早く回復したほうが賢明です。
ここで心のケアを怠ってしまうと、場合によってはトラウマのような状態になり兼ねません。
ケアの仕方は、それぞれのやり方で良いと思います。
お風呂にゆっくり浸かったり、美味しいものを食べたり、趣味に興じたり、長めの睡眠をとったり等々。
要は、心を癒し、回復できることであれば、どんなことでも構いません。
④カスハラにあったときのことを冷静に振り返ってみる。
これは、心が十分に回復したときに行うのが良いです。
カスハラにあったときのことを、冷静に振り返ってみるのです。
できれば紙などに書き出してみるのがいいですね。
書き出すことにより、出来事を客観的に振り返ることができます。
具体的には、以下のようなことを振り返っていきます。
●相手が主張していたことは、どんな内容だったか。
●相手の言い分で正しい部分はあったのか。
●それに対して、自分はどのように話したか。
●複数人で対応した場合、こちらからどんなことを伝えたか。
●今回のことで学んだことは何か。
●次も同じようなことがあったときは、どのように対処したら良いか。
●自分に対して、どのような心のケアを行ったか。
このようにフィードバックすることで、カスタマーハラスメントに対する対処のスキルを上げていくことが期待できます。
今回はカスタマーハラスメントについて、思うところをまとめてみました。
カスタマーハラスメントにつて考える機会になりましたら、幸いです。