ぐるぐる思考(または反芻思考)とは、同じことを頭の中でぐるぐると繰り返し考えてしまうような状態を指しますが、これが出てくると、とても厄介です。
では何故、ぐるぐる思考が起こるのでしょうか。
それは過去にあったネガティブな出来事や、未来への不安などが引き金となり、無意識のうちにそのような思考が浮かび上がってしまうのだと考えられます。
ぐるぐる思考は、できることなら浮かび上がってほしくないでよね。
では、ぐるぐる思考は何が問題なのか、考えてみましょう。
①今やるべきことに、集中して取り組めなくなってしまう。
ぐるぐる思考が頭の中を駆け回っていたら、目の前のやるべき課題に、集中してくり組めなくなります。
たまにこのような状態になるのは自然なことであり問題ありませんが、ぐるぐる思考に頻繁に囚われてしまうようになると、やるべき課題に集中して取り組めなくなってしまいます。
こうなってしまうと、当然のことですが、生活に支障が出てきてしまいます。
②頭が休まらないので、疲労が溜まってしまいます。
頭の中をぐるぐると思考が回り続けていたら、相当なエネルギーを消耗してしまい、頭は疲れ切ってしまいます。
人の脳は普通に生活しているだけで、かなりのエネルギーを使います。
まして考え事をしているときは、相当量のエネルギーを消耗しています。
これが、勉強をしたり、読書をしたり、趣味を楽しんだりするようなことであれば、正常な脳の疲れですから、ぐっすりと眠れば疲れもとれるでしょう。
しかし、ぐるぐる思考はネガティブな思考ですから、同じ頭を使うにしても、勝手が違います。
脳の疲れ方が全然違うのです。
ぐるぐる思考に陥っているときは、そもそも、熟睡することができません。
このような状態が長期間に渡って続いたら、うつ病や不安障害などの精神疾患になるのも、無理はありません。
このように、ぐるぐる思考は陥ってしまうと心の病気にもなりかねないので、決してあなどれません。しかし、もし、ぐるぐる思考が始まってしまったら、どのように対処したら良いのでしょうか。
考えられる対処法をあげてみたいと思います。
①ぐるぐる思考が始まったことを認識して、具体的に対処していく。
まずは、ぐるぐる思考が始まったことを認識することが大切だと考えます。
私達は自身の心の状態を認識することで、少し落ち着くことができます。
ぐるぐる思考を認識した上で、それはどんな思考なのか、その正体を明らかにすることが大切です。
そのために有効な方法は、紙などに書き出して、可視化することです。
ぐるぐる思考の正体を書き出してみることで、頭の中が整理されますし、少し距離をおいて客観的に眺めることができます。
ぐるぐる思考の正体が分かったら、次は、自分ができそうな対処法を具体的に考えて、それを実行するようにします。
対処法を考えることで前向きな気持ちになれますし、実際に取り組んでみて効果があったときは、自信にもなりますし、次回もその対処法を試みることができます。
具体的な対処法は人それぞれですが、ここでは一般的に使えそうな対処法をあげてみます。
●上にあげたように、ぐるぐる思考を紙などに書き出して可視化すること自体が、効果的な対処法になります。
可視化したり、言語化すること自体に、大変効果があります。
ぐるぐる思考の正体が分かることで、気持ちが落ち着きます。
●自分の好きなことをして、ぐるぐる思考を紛らわすようにする。
音楽を聴いたり、楽器を演奏したり、映画やドラマをみたり、読書をしたりすることで、ぐるぐる思考から離れることができます。
自分が心から楽しめることに取り組むことで、ぐるぐる思考がいつのまにか頭の中から消えていきます。
●とりあえず何か行動を起こしてみる。
なんでも良いのですが、ポイントは、マインドフルに行うことです。
そのことに集中するということですね。
歯磨きをする。
顔を洗う。
洗い物をする。
コーヒーやお茶を飲む。
掃除機をかける。
お風呂掃除をする。
空を見上げてみる。
植物に水をあげてみる。
ペットとたわむれる。
このように、いくらでもあげることができます。
普段の生活で何気なく行っていることをマインドフルに行うことによって、ぐるぐる思考から離れることができます。
因みに私の場合は、ぐるぐる思考が浮かんできたときは、洗い物をしたり、空を見上げたりすることが効果的です。
水の感触を感じたり、陽ざしを浴びたりすることで、リラックス効果も得られます。
●散歩をしてみる。
もし、時間があるようでしたら、近所をちょっと散歩することも効果的です。
散歩は有酸素運動なので、とても良い運動にもなります。
ポイントは、何も考えずに、周りの自然などを楽しみながら歩くことですね。
②積極的に頭の疲れをとるようにする。
ぐるぐる思考が続いてしまうと、どうしても頭が疲れてしまいます。
ぐるぐる思考に対処できないほど心が疲弊してしまったときは、やはり十分な休息をとることが、最も重要です。
簡単な方法としては、目を瞑って、周りの刺激をシャットアウトすることが効果的です。
これだけでも、リラックス効果を得ることができ、頭の疲れが癒されます。
お風呂にゆっくり浸かってみるのもいいでしょう。
高いリラックス効果を得ることができます。
食事をしっかりとることで、脳に十分な栄養な届けることができます。
これも頭の疲れをとるためには、とても重要です。
そして、何と言っても大切なことは、やはり十分な睡眠をとることです。
質の良い睡眠は、脳の疲れを癒し、脳を再び元気な状態に戻してくれるのです。
③信頼できる人に相談する。
身近にいる信頼できる人に相談してみるのも、良い方法ですね。
自分1人で解決できれば、それにこしたことはありませんが、ぐるぐる思考からどうしても抜け出せないときは、思い切って相談してみることをお勧めします。
話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になりますし、場合によっては適切なアドバイスがもらえるかもしれません。
今回はぐるぐる思考について考えてみました。
ぐるぐる思考は囚われてしまうと、なかなか抜け出すことができません。
しかも、長引かせてしまうと心が疲れ切ってしまい、精神疾患などにもなりかねません。
そうならないためにも、ぐるぐる思考に対する適切な対処法を、身につけていきたいですね。