今年も残りわずかとなりましたね。
私は毎年この時期になると、決まって1年間を振り返るようにしています。
1年間使ってきた手帳を、時間をかけて初めから読み返すのです。
時間はかかりますが、これをしないとスッキリとした気持ちで新年を迎えることができません。
皆さんは、どのような方法で1年を振り返っていますか。
そこで今回は、心理学的な観点を踏まえながら、効果的な1年の振り返り方について考えてみたいと思います。
1年間の出来事と一緒に、その時の思考や感情も振り返ってみましょう。
私は普段から、アナログの手帳やノート、スマートフォンなどを使って、日々の出来事や感じたことを、どんどん書き込んでいます。
いわゆるジャーナリングですね。
そして、この時期に必ず行っているのが、1年の振り返りです。
本当は、手帳やノートやスマートフォンなどに書き溜めたものを全て読み返すのが理想ですが、それでは時間がかかり過ぎてしまうので、私の場合は手帳だけを丁寧に読み返すようにしています。
手帳の最初のページから最期のページまで、丁寧に読み返していきます。
このとき、いわゆる予定やToDoリストなどは、わざわざ読み返しません。
読み返すのは、日記のように文章として記載されている、大切な部分だけにします。
丁寧に読み返しながら、とくに印象に残っている出来事については、そこでふと立ち止まります。
その時の事を、なるべく詳細に思い出すようにします。
再体験するようなイメージですね。
そして同時に、そのときに感じたことや考えたことも、再体験するようにします。
再体験するのであれば、自分にとって好ましい出来事やポジティブな感情の方が良いですよね。
ですが、ここは敢えて、思い出したくない出来事やネガティブな感情についても、再体験するようにします。
とは言え、場合によっては、思い出したくもない出来事はあります。
それを、無理に思い出す必要はありません。
あくまで、自分に無理のない範囲で、振り返れば良いのです。
こうして、文字と一緒に再び思い出した出来事や感情を、もう一度自分の外に出してあげます。
いわゆる、外在化ですね。
こうして感情や思考を外に出して、客観的な視点から眺めて、あらためて整理していきます。
「あの時は、本当に楽しかったな。幸せな気持ちだったんだ」
「あの時は、辛くてしんどかったな。ネガティブな感情に支配されてしまって、しばらく立ち直れなかったしね」
こうして、ひとしきり味わった感情や思考は、再び自分の中に入れてあげるようにします。
どんな感情も思考も、全て自分の大切な一部ですから。
自分を温かくねぎらってあげるような気持ちで、自分の中に再びしまってあげるのです。
自分の心を整理する意味で、この方法はとても効果があります。
そして、例えば、
「今年は、ネガティブな感情を感じることが多かったな」
「ポジティブな感情をいっぱい味わうことができて良かった」
「ポジティブな感情とネガティブな感情が、目まぐるしく動いているね」
「私はこういうときに、こんなふうに感じる傾向があるんだな」
というように、自分の感情や思考の傾向性を理解して、自己理解を深めることもできます。
目標は、達成度で振り返りましょう。
1年の振り返りには、出来事だけでなく、目標の振り返りも入ります。
これも個人差があって、中には具体的な目標を立てなかったり、目標を立てても手帳などに記載しなかったりと、人によって様々です。
私は手帳に、その年の目標なども記載していますので、一緒に目標を振り返るようにしています。
この時に、注意したいことがあります。
それは、目標は達成できたか否かの2択のみでは評価しないということです。
つまり、達成できたら100、達成できなかったら0という考え方ですね。
このような考え方では、仮に目標が達成できなかったとすると、それまで努力してきた部分を振り返って、評価することができないからです。
目標に向けて少しでも努力を傾けたのであれば、それは決してゼロではないはずです。
とは言え、例えば、
「〇〇に合格する」
「〇〇の資格をとる」
「〇〇で優勝する」
のような目標の場合は、達成できなかったらゼロと考えてしまうのも、無理はありません。
目標が達成できなかったことは事実なのですから。
しかし、目標が達成できなかったとしても、目標に対してどれだけ近付いたのかを評価することはできます。
それが、目標の達成度を評価するということです。
達成度で評価すれば、たとえ目標が達成できなかったとしても、0%ということにはなりません。
もしかしたら、目標に対して80%や90%に達していたかもしれないのです。
仮に90%まで達成していたのなら、あと10%の努力があれば良いのです。
そして、その10%を埋めるために、具体的にどうすれば良いのかを考えることもできます。
このように、目標を達成度で評価するようにすると、具体的な課題も見えてきます。
そして、一番大切なことは、今年1年頑張ってきた自分を最大限に褒めて、ねぎらってあげるということです。
目標が達成できたとしても、達成できなかったとしても、1年間頑張って努力してきたことは確かなのですから。
いかがでしたでしょうか。
今回は、1年の効果的な振り返り方について考えてみました。
今年も残りわずかですが、しっかりと1年を振り返りたいものです。
そして、その際は、きちんと自分の頑張りを褒めて、ねぎらってあげたいですね。