しんどい1週間をのり越えたあなたへ―それでも、あなたはよく頑張っていますよ

生活に役立つ心理学

新年度がスタートして、1週間がたちましたね。
社会人としての新生活が始まった方も、たくさんいらっしゃるでしょう。

順調に滑り出した人は良いのですが、中には、
「正直、もうしんどいな」
「これから、やっていけるのかな」
「こんなはずじゃなかったのにな」

と感じていらっしゃる方も、いるかもしれません。
もしかしたら、涙があふれた夜もあったかもしれませんね。

でも、そんなあなたに、伝えたいことがあります。

それは、あなたが感じているしんどさは、決しておかしなことではないということです。
むしろ、それは、とても自然な反応なんです。

慣れない環境で心が疲れてしまうのは、とても正常なことです。

私たちの心や脳は、環境の変化にとても敏感なのです。
新しい職場や初めての仕事、知らない人たちとの関わり…。

これまでとは全く違う世界に、いきなり放り込まれてしまったような感覚になりますよね。

実は心理学の世界では、このような「新しい環境に適応するためのストレス」は、当たり前のものとされています。

ですから、心が疲れてしまうのは当然なんです。
自分が弱いからとか、向いていないからとかではありません。

つらい気持ちを大きくしてしまうのは、心のくせかもしれません。

例えば、こんなことはありませんか。

●1回で全部覚えられなかったし、やっぱり私は仕事ができない人間なんだな。

●上司に注意されてばっかりだし、使えない若者だとか思われちゃったんだろうな。

●さっき褒められたけど、そんなの社交辞令に決まってるし、本気で受け取れないよ。


●挨拶をしたのに返事もしてくれないのは、私のことを嫌っているということだよね。

●新人だったら、先回りして何でも気付いて動けるようにならないと、駄目だよね。


●不安でたまらないってことは、やっぱり私はこの仕事に向いていないんだ。

●ギリギリまで耐えるつもりだけど、このままだときっと、心が壊れて仕事をやめることになるんだろうな。

●どうせ私なんか、何をやっても失敗する人間なんだ。

●周りはみんな楽しそうに見えるし、こんなに悩んでいるのは、きっと私だけだよ。

●あの失敗のことを、何度も思い出してしまうな。


●先輩も冷たいし、こんな職場じゃ、やってられないよ。

●どうせ自分なんか、頑張ったって結果は出せないよ。


●朝から何もやる気にならない自分は、社会人失格だな。

●つらくても休まないで、我慢して乗り越えなきゃ!


いかがでしたでしょうか。
きっと、誰にでも経験があるようなことですよね。

これらは、「認知の歪み」とよばれる、誰もがもっている心のくせの一例なのです。

とくに、まじめで頑張り屋さんほど、完璧を求めて自分にも厳しくなってしまうものです。

でも、たった一度のミスであなたが全否定されてしまうなんてことは、絶対にありません。

心のくせが湧いてきたときは、「できたこと」に目を向けてみましょう。

認知の歪みという心のくせが湧いてきたときは、できたことを見付けてみましょう。
どんなに小さなことでも構いません。

例えば、こんな感じです。

●朝、時間通りに家を出られた。

●余裕をもって、職場につくことができた。

●笑顔であいさつができた。


●電話の応対で、緊張はしたけど、明るい声で話せた。

●分からないことを、勇気を出して聞くことができた。


●失敗したときは、すぐに謝ることができた。

●先輩に助けてもらったときに、感謝の気持ちを伝ええることができた。


いかがでしょうか。
どれも、立派に「できたこと」ですよね。

心理学には、「スリー・グッド・シングス」という方法があります。
寝る前に、今日の良かったことを3つ書くだけです。
上の例であげたようなことを思い出して、書いていきます。
これだけで、ストレスが減ったり、気落ちが前向きになったり、幸せな気持ちになったりしますよ。


これは私も長年実践していますが、効果は抜群です。
まずは1週間、試してみませんか。

つらいときは、自分に優しくしてあげましょう。

しんどくて、しんどくて、仕方のないときがありますよね。
そんなときは、自分に優しくしてあげることが、とても大切なんです。

心理学では、「セルフ・コンパッション(自分への思いやり)」という考え方があります。
これは、自分が困難な状況にあるときや失敗したときに、自分を責めるのではなく、思いやりの気持ちで自分に寄り添う姿勢のことを言います。


大切な友だちに言ってあげるように、心を込めて、自分に優しい言葉をかけてあげましょう。
自分に優しい言葉をかけてあげるときに、自分のことを抱きしめるようなイメージで声をかけてあげるのもいいですね。

例えば、こんな感じです。

●今日は、どんな一日になるのかな。不安もあるけど、ちゃんと向き合おうとしている私はえらい!

●今日も一日、本当にお疲れ様!よく頑張ったね!

●うまくいかなくても大丈夫さ。そんな日もあるから。

●会議でうまく話せなかったけど、伝えたい気持ちはちゃっと伝えることができたよ。

●上司に叱られたときはきつかったけど、私の成長を願ってのことだったのかもしれない。
あとで、落ち着いてゆっくりと振り返ってみよう。

●他人と比べなくていいよ。私は頑張っているし、自分のペースで成長していけばいいんだから。

●この仕事をやり終えるのに時間がかかったけど、丁寧にできたんだから、これでいいよ。


●先のことを考えると不安になるけれど、今日一日ちゃんと生きた私はすごいよ!

セルフ・コンパッションはとても効果があるので、お勧めの方法です。
今日からさっそく試してみませんか。

いかがでしたでしょうか。
今回は、「しんどい1週間をのり越えたあなたへ―それでも、あなたはよく頑張っていますよ」というテーマで、ブログを書いてみました。

このブログを最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

最後に、私からのメッセージです。

あなたは、しんどい1週間を、のり越えることができたのです。
素晴らしいことです。
まだ、始まったばかりです。
ゆっくりで良いんです。
自分のペースで良いんです。
誰かと比べなくて良いんです。
あなたは、あなたのままで良いんです。
新しい環境に飛び込んでいったあなたは、もうそれだけで十分にすごいのです。
今日も、本当によく頑張りましたね。
本当にお疲れ様でした。