「自分らしくしなやかに、教師として生きるために」ー子どもや同僚との関係に疲れたときの心の整え方ー

教師に役立つ心理学

子どもとの関係、同僚との関係、保護者との関係...。
教員の仕事は、様々な「人との関わり」の中で成り立っています。
その分、うまくいかないことが重なってくると、心が揺れ動いてしまい、疲れてしまいやすいのです。

「子ども達に真剣に話したのに、あまり伝わっていないな」
「職員室の空気が、何だか重くて、どんよりしているな」
「保護者対応に、疲れちゃった」

こんな日が続くと、自分の関わり方が悪いのかなと必要以上に自分のことを責めてしまうことも、きっとあるでしょう。

でも、人間関係に疲れを感じるのは、あなたが周りの人たちと誠実に関わろうとしている証でもあります。

そこで今回は、子どもや同僚との関係に疲れたときの心の整え方について、役に立つ心理学的なヒントをお伝えしたいと思います。

心が疲れてしまう心理学的な意味

人間関係の疲れは、「共感疲労」と呼ばれる心理現象の一つとも言えます。
これは、相手の気持ちに寄り添いすぎることで、自分の感情がすり減ってしまうような状態を指します。

教員は、共感することを求められる仕事と言えます。
子どもの気持ちを感じとったり、保護者の思いをくみとったり、同僚と協力し合ったりしながら、日々の仕事に取り組んでいかなければなりません。

教員にとって共感力があることは大切なことであり、だからこそ、子ども達の成長を支えることができるのです。

しかし、その反面、心のエネルギーをたくさん消費せざるを得ないとも言えます。
心理学では、このような状態を「情動的消耗」と呼びます。
これは、仕事や人間関係などから継続的に強いストレスを受け、感情的なエネルギーが枯渇してしまった状態のことです。
このような状態は、バーンアウト(燃え尽き症候群)の初期サインとも言われています。

バーンアウトが理由でうつ病などの精神疾患を発症してしまうこともありますし、退職を余儀なくされてしまうこともあります。

子ども達の健やかな成長を願い、教育の仕事に真摯に取り組んできた先生方がこのような状況に追い込まれてしまうのは、とても悲しくて、残念でなりません。

では、どうすれば、感情的な消耗を軽減することができるのでしょうか。
具体的な実践方法について、考えてみたいと思います。

感情の消耗を軽くするための方法

①自分の感情を言葉にしてみましょう。
自分の中にある感情を、紙などに書き出してみましょう。
心理学ではこれを「感情のラベリング」とよび、自分が感じている感情を言葉で明確に表現するプロセスです。

例えば、激しい怒りや不安を感じたときに、「自分は今、ひどく腹を立てているんだな」「とても不安に感じているんだな」と、心の中で呟き言葉にして書き出すことで、自分自身と感情を切り離して客観的に見ることができます。
こうすることで、感情のピークが和らぎ、冷静さを取り戻すことができるのです。

感情のラベリングをすることで、感じている感情の正体をつかみ、それを引き起こした原因や状況を理解することへもつながります。

感情のラベリングと似たものにジャーナリングや日記がありますが、これも自分の感情を客観的に見つめるという意味では、同じような効果が期待できます。

教師という仕事は他者と関わることが多いので、どうしても感情が疲れてしまいます。
ちょっと心が疲れてきたなと感じたときは、感情のラベリングを行い、感情から少し距離を置いてみましょう。
きっと、効果を実感することができます。

②自分を満たす時間をつくりましょう。
教員にも休憩時間はありますが、子ども達が学校にいる間は、実質的な休憩時間はないといっても過言ではありません。
それだけ、教員の日常は忙しいのです。

このような状況で働いていたら、心が休まる時間がありません。
心の疲れが、日常的にたまっていってしまいます。

そうならないために、たった5分でもいいので、自分の心がほっとする時間を意識的につくるようにしましょう。
ちょっとでもいいので、子ども達から離れて一人になる時間を持つことで、心が癒され、再びエネルギーが満ちてきます。
温かいお茶を飲んだり、空を眺めたり、軽く目をつむったり...。

こうした小さな習慣が、自分の感情を回復させてくれる力になるのです。

そしてもう一つ大事なことは、帰宅したら、なるべく仕事のことは考えないようにするということです。
自宅は、心と体を癒す場所にしたいものです。

とは言え、人にはそれぞれ事情があります。
自宅にいても、心が休まらないことがあるかもしれません。

それでも、「心を休めるんだ」と意識して、ゆったりとくつろげる時間を持ちたいもです。
自分の大好きなことに、時間を使いましょう。

お風呂にゆったりと浸かる。
美味しいものを食べる。
好きな音楽を聴いたり、好きなドラマを見たりする。
読書をする。
楽器を弾く。

どんなことでもいいのです。
自分が心から楽しいと思えることに、時間を使いましょう。
それが、心を回復させてくれる大きな力になります。

まとめ

教師という仕事は、自分の感情をコントロールしながら子ども達や保護者などと関わらなければならない、感情労働です。
心への負担が、とても大きな仕事です。

ですから、意識的に心を休める時間をつくることが大切です。
バーンアウト(燃え尽き症候群)のように、なってしまわないように。

疲れた感情を、休めてあげましょう。
心が疲れてきたなと感じたときは、感情のラベリングやジャーナリングなどを行い、感情から少し距離を置くようにしましょう。
そして、大好きなことをして心を休めましょう。
それが、明日再び、笑顔で教壇に立てる源になります。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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